第2回 【ワンランク上の翻訳には欠かせない表現法:前置詞 + 目的語 (意味上の主語) + ~ing (動名詞)、前置詞 + 目的語 + ~ ing(現在分詞)】
ネイティブは多用するが、日本人が使いこなせていない 前置詞 + 目的語 + ~ing
日本人があまり使いこなせていないが、ネイティブが多用している表現法の一つに、前置詞 + 目的語 (意味上の主語) + ~ing (動名詞)、あるいは 前置詞 + 目的語 + ~ ing (現在分詞)の形がある。一見、「なんだ、簡単」と思うかもしれないが、ところがどっこい、けっこう高度な表現法なのである。この形をマスターすると、翻訳の際、冗長的になりがちな文が、一気に引き締まる。金融分野ではもちろん、分野を問わず名だたる欧米メデイア記事でも随所で使われている表現スタイルだ。
<Note>
動名詞の意味上の主語は所有格とする文法解説もあるが、ネイティブのライティングではもちろんのこと、現在は目的格を用いる場合がほとんどである。これは、前置詞の後や、動詞の後では、元々目的格が置かれるものであるところからもその理由である。ただ、動名詞が主語の場合、例えば、The investors’ selling the stocks caused the market to drop. など、動名詞 selling の前の意味上の主語は、the investors’ として所有格を使う方が自然であろう。
それでは、筆者によるオリジナル模範翻訳も交えながら確認していこう。
※原文の内容はすべて筆者のオリジナルである。日々世界で起こる膨大な情報ソースを基にしての着想により、金融、経済、社会情勢、あるいは数値などを含め、筆者独自の言葉で創作したnon-fiction (ノンフィクション) もあれば、fiction (フィクション) もある。
※ 翻訳の難易度を高める趣旨により意図的に日本文を長くしていることもある。
基本概念
まず、基本概念を to と of の例文を使って確認しておきたい。
基本概念① to の場合
【基本概念① to を使っての確認】
<原文>
「株式市場は、新型コロナが国中に拡大したため、下落した。」
<筆者の模範翻訳>
The stock market fell due to the novel coronavirus spreading all across the country.
模範翻訳の中に、due to the novel coronavirus spreading の spreading は動名詞なのか、現在分詞なのかと考え込む人もいるだろう。実際のところどちらの解釈も可能だ。
<Note>
本ブログでも再三にわたって語ることになるが、こうした日本人の考える動名詞であるとか、現在分詞であるとか、必ずしもネイティブは区別していないということ。例えば、日本の英文法でよく知られる第1文型 S + V、第5文型 S + V + O + C などとあるが、これらもネイティブは、そうした文型の意識はまったくしていない。つまり英文法というものは、あくまで日本人が日本人のために英語を理解しやすくするために体系化したものにすぎないと考えてもいいくらいだ。ちょうど日本人が日本語を話したり、書いたりする時に、文法というものを意識していないのと同じことである。これらは生まれ成長していく中で自然に身につけてきたもので、まれに例外もあるが、通常無意識でもきちんとした表現ができるものなのだ。母国語というのはそういうものである。つまり、日本人にとっての日本語のように、英語ネイティブにとっての英語も、あくまで結果的に日本人の定義するいわゆる文法という体系や法則に沿っているだけであって、ネイティブがそれらを運用する過程においては、これは現在分詞ではなく、動名詞の ~ ing 、このwhat は疑問詞ではなく、関係代名詞のwhat などなどまず考えていない。
ここで誤解してはいけないのは、日本人が英語を習得する際、特に言語形成期(0 歳 から 13 歳)を過ぎた後は、母国語としての感覚でネイティブのように自然に身につけることは難しいとされるため、それを補う理論、つまり文法に基づいた理解と学習が大切と言われている。
結論としては、言語形成期を過ぎた日本人が英語を習得しようとする場合は、文法を理解しておくことは必要であるが、その一方でネイティブのように型にとらわれない柔軟な発想や語感というものの存在も知っておくべきである。
<Note> での記述にある通り、「新型コロナが拡大していることのために」という解釈では動名詞であって、「新型コロナが(意味上の主語)→ 拡大していること(動名詞)→ のために(理由のdue to)」という構造であり、一方、「拡大している新型コロナのために」と解釈すれば、現在分詞であり、「拡大している(現在分詞)→ 新型コロナ(現在分詞に修飾される名詞)→ のために(理由のdue to)という構造になる。
ただ、前置詞の後の ~ ing の形では、動名詞として捉える方が、より応用性が高くなる。例えば、toの後、動名詞の活用として考える「新型コロナが拡大していることのために」の方は、「新型コロナが拡大している」という ある “状況” 「のために」として、主語「新型コロナが」 + 動詞「拡大している」との “文” の構造でもある。 前置詞の後では、“文” 構造で解釈できる方が、何かと使いやすいのだ。
念のため、筆者の模範翻訳のdue to 以下を “文” で書き直すと、
The stock market fell due to the novel coronavirus spreading all across the country.
⇩
The stock market fell as the novel coronavirus spread all across the country.
などと翻訳できる。これでももちろんいいのだが、接続詞などを多用し過ぎて起こりがちな稚拙さや、冗長性が高まるリスクもあるので、文スタイルの観点からしても 前置詞 + 目的語 + ~ ing の形を使いこなして、 (due) to the novel coronavirus spreading とも翻訳できる表現力は身につけておきたい。
一方、現在分詞の活用として考える「拡大している新型コロナのために」の方は、現在分詞、つまり形容詞的な「拡大している」→ 修飾される名詞「新型コロナ」と分解でき、これは “名詞句” の構造である。前者の “文” の構造との違いは、前者は “文” の内容全体が理由 (due to) の対象になるのに対し、後者の “名詞句” は、名詞「新型コロナ」そのものが理由 (due to) の対象になるところにある。
ちなみに、名詞句は、関係詞などで言い換えるのが自然であろう。
<名詞句を関係詞で言い換えた場合の翻訳>
The stock market fell due to the novel coronavirus spreading all across the country.
⇩
The stock market fell due to the novel coronavirus which (あるいは that) spread all across the country.
以上、due to の to 前置詞の後ろを意味上の主語 + 動名詞 として “文” として考えるか、名詞 + 現在分詞 として “名詞句” として考えるかの差は、それぞれが表す意味合いと活用の幅において意外と大きい。この差の点は、この後さらに多くの練習文や用例を確認することで何を意味しているかがより明確になる。
基本概念② of の場合
【基本概念② of を使っての確認】
<原文>
「交渉の後、紛争が沈静化した結果、原油価格は下落した。」
<筆者の模範翻訳>
The oil prices fell as a result of the conflict subsiding after the talk.
前置詞句 as a result of の of の後、the conflict subsiding として、 前置詞 + 目的語 + ~ing の形を使って翻訳した。この模範翻訳の場合も、to の例と同じように、subsiding は動名詞なのか、現在分詞なのか、という議論が起きるかもしれないが、両者どちらの解釈でも可能であろう。
「紛争が沈静化した結果」の解釈では、動名詞であり、「紛争が(意味上の主語) → 沈静化すること (動名詞)→ の結果(結果の as a result of)」という構造だ。 一方、「沈静化している紛争の結果」と解釈すれば、現在分詞であり、「沈静化している (現在分詞)→ 紛争 (現在分詞に修飾される名詞)→ の結果(結果のas a result of)という構造になる。
それでもどちらかと言えば、前者の動名詞として考える方がしっくりくるのではないだろうか。なぜなら、「結果」のニュアンスが、ある “名詞そのもの” の「結果」というよりも、ある “事象・事柄” としての「結果」と考える方がより的確と思えるからである。ここでの例文で言えば、「紛争が沈静化した」という “事象・事柄” の「結果」ととらえる方が、「(沈静化している)紛争」という “名詞そのもの” の「結果」としてよりも、より広がりをもって原文とその状況の意味を表せると思う。
念のためこの前置詞 + 目的語 + ~ing の形を使わずに、文として書き換えると、
<前置詞 + 目的語 + ~ing の形を使わず、文で書き換えた場合の翻訳>
<原文>
「交渉の後、紛争が沈静化した結果、原油価格は下落した。」
<筆者の模範翻訳>
The oil prices fell after the conflict subsided after the talk.
Or
The oil prices fell as the conflict subsided after the talk.
Or
The oil prices fell while the conflict subsided after the talk.
以上、前置詞 + 目的語 (意味上の主語) + ~ing (動名詞)、あるいは、前置詞 + 目的語 + ~ ing (現在分詞)の基本概念を説明してきたが、通常、接続詞 + 文 などで冗長的になるところを、前置詞 + 目的語 + ~ ing の形を使いこなすことで、ワンランク上の翻訳が可能となる。
とかく原文の一文が長い場合、接続詞だらけになったり、稚拙にも文を分けて2文や3文で訳したりする翻訳者もいるが、もちろんそれでいい時もあるのだが、それ一辺倒では面白くない。 これをきっかけに、日本人が使いこなせていない、このネイティブが好んで使う表現をぜひ自分のものにして欲しい。
5つの筆者によるオリジナル模範翻訳でさらにチェック
模範翻訳① on
<原文>
「『それが信頼性の高いGDP値を提示すると期待しないでください』、とアナリストは述べる。」
<筆者の模範翻訳>
Don’t count on it giving you reliable GDP readings,” says the analyst.
on の後に、it giving you reliable GDP readings として 前置詞 on + 目的語 + ~ ing の形が来ている。ここでも動名詞のing か現在分詞のing のどちらか、という議論が起こるかもしれないが、この場合は、動名詞ととらえる方がしっくりくるだろう。
「それが(意味上の主語)→「(あなたに) 信頼性の高いGDP値を提示すること(動名詞)→ について(対象・関係性のon)」 の構造として、文の内容全体を対象として、そのことについて「期待するな」と解釈する方がわかりやすい。現在分詞として解釈しようとすると、「(あなたに) 信頼性の高いGDP値を提示している(現在分詞)→ それ(現在分詞に修飾される名詞)→ について(対象・関係性のon)」の構造となり、「信頼性の高いGDP値を提示しているそれについて期待するな」では、原文の意味を正確に表しているとは言えないであろう。
あともう一つ大事な点として関係詞の先行詞と同様、現在分詞に先行する名詞が、itやher など代名詞が置かれることは不可能ではないが、基本的には稀であり、かなり文語的な感が強い。この点でも on it giving you ~ などの形であれば、動名詞として捉える方が自然でもある。
このように、前置詞 + 目的語 + ~ ingを用いる場合、ingが動名詞、現在分詞のどちらの解釈でも可能な時もあるが、往々にして動名詞としての方がより活用性が高いとえいる。
またここでの原文に対して、仮に前置詞 + 目的語 + ~ ing の表現法を知らなかったらどうなるか。
Don’t count on it giving you reliable GDP readings.
この文は、Don’t count on (~について期待するな) + it gives you reliable GDP readings (それはあなたに信頼性の高いGDP値を提示する)として、文と文とが合体しているものであるとも解析できる。それをふまえ、仮に、前置詞 + 目的語 + ~ing の形を知らなければ、count on の後ろに a probability that ~ などを挟んで、
<前置詞 + 目的語 + ~ ing の表現法を知らない場合>
Don’t count on a probability that it will give you reliable GDP readings.
となり、英文としては間違っていないが、ぎごちなさがあり、もっと重要なのことは、原文の意味合いからも少々ずれが生じる。
代りとしては、count on という面白い表現が使わず、expect that ~ などの比較的ありきたりのthat節構文をとらざるおえなくなる。
<ありきたりのexpect that ~ 節の構文を使った場合>
Don’t expect that it will give you reliable GDP readings.
これなら確かに、原文の意味にも即してはいるが、文表現としてはあまり洗練されていない。
この比較だけでも、前置詞 + 目的語 + ~ing の形を使いこなせることが、どれだけ流暢な翻訳の幅を拡げることが可能になるかがわかるであろう。
模範翻訳② of
<原文>
「監査役は、秘書がかつて所有していたパソコンから社長の演説の事前コピーと 彼女が他のスタッフに指示を出していた映像を発見した。」
<筆者の模範翻訳>
An Audit & Supervisory Board member has found advance copies of the President’s speeches on a computer once owned by the secretary, as well as footage of her giving orders to other staff members.
「彼女が他のスタッフに指示を出していた映像」の箇所にて、前置詞 of + 目的語 + ~ing の形を使い、footage of her giving orders to other staff members と表現。ここでも代名詞 her の後の ~ ing は動名詞と考えられる。「彼女が (意味上の主語) → 他のスタッフに指示を出していたこと (動名詞) → について (関係性のof) → 映像」という構造だ。
仮に、前置詞 + 目的語 + ~ing の形を知らなければ、関係詞を使って
・ footage in which she was giving orders to other staff members
・ footage that includes a scene where she was giving orders to other staff members
・ footage including a scene where she was giving orders to other staff members
などと表現が可能ではある。
その点、関係詞もものすごく重要であることは間違いないのだが、時に冗長感が出てしまうなど、欠点もある。
よって、前置詞 of + 目的語 + ~ing の形は、ぜひともマスターされたい。
模範翻訳③ in
<原文>
「テクノロジー銘柄主導の株式の下落により、8月のウォールストリートは、世界のその他の市場の約2倍のペースで下落した。」
<筆者の模範翻訳>
A tech-led pullback in equities has culminated in Wall Street falling at roughly double the pace of global counterparts during August.
「8月のウォールストリートは、世界のその他の市場の約2倍のペースで下落した」の箇所にて、前置詞 in + 目的語 + ~ing の形を使い、 culminated in Wall Street falling at roughly double the pace of global counterparts during August と翻訳。この活用は、Wall Street (意味上の主語)→ falling(動名詞)at roughly double the pace of global counterparts during August → culminate in (に帰結する、結果としてなる)という、Wall Street 「ウォールストリートが」(主語)+ falling 「下落する」(動詞) との “文” の 構造を成していると考えるのが適当で、falling を現在分詞として考えることは少し違和感がある。つまり、falling(現在分詞)at roughly double the pace of global counterparts during August → Wall Street (現在分詞に修飾される名詞)→ culminate in (に帰結する、結果としてなる)と構造を捉え、「8月に世界のその他の市場の約2倍のペースで下落したウォールストリートに(結果として)なった」との解釈になってしまうのだ。もちろん、どういう状況であろうとなんだろうとにかく「ウォールストリート」そのものを強調したい場合は、現在分詞として解釈してもいいのかもしれないが、culminate in something という語彙の意味が、そもそも in の後に “出来事” や ”状況” の表現をもってくることが基本なので、その点は留意しておきたい。念のため英英辞典 Longman Dictionary を参照すると、
culminate in something: if a process culminates in or with a particular event, it ends with that event
と定義している。
模範翻訳④ despite
<原文>
「アナリストらはそのような動きは企業の市場価値に影響を与えないはずだと指摘しているにもかかわらず、テスラなどの大手銘柄の株式分割も、幅広い層の投資家の買いを促している。」
<筆者の模範翻訳>
Stock splits in big-name stocks like Tesla have also prompted a broad range of investors to buy in, despite analysts pointing out that such moves should have no effects on the market value of a company.
「アナリストらはそのような動きは企業の市場価値に影響を与えないはずだと指摘しているにもかかわらず」の箇所にて、前置詞 despite + 目的語 + ~ing の形を使い翻訳。 analysts(意味上の主語) → pointing out(動名詞)→ despite (前置詞)という構造であり、主語 analysts「アナリストらは」 → 動詞 pointing out「指摘している」から成る “文” の構造だ。この場合も、despiteの後は、“出来事” や “状況” の意味合いを伴うため、現在分詞→ 分詞に修飾される名詞として、“名詞句” の構造とは考えにくい。
翻訳⑤ to
<原文>
「この上方修正は、取引先が、この春に中断した案件を再開したことも影響した。」
<筆者の模範翻訳>
This upward revision was in part due to business partners resuming projects terminated this spring.
ここでは、「基本概念① to の場合」で説明したケースと同じである。「取引先が、この春に中断した案件を再開したことも影響した」の箇所にて、前置詞 (due) to + 目的語 + ~ing の形を使い翻訳。business partners(意味上の主語)「取引先が」 → resuming(動名詞)「再開したこと」→ (due) to (前置詞)「のために(影響・理由)」という構造だ。「基本概念① to の場合」のパラグラフでも入念に解説したが、ここでの ~ ing を現在分詞として捉え、resuming (projects terminated)(現在分詞)→ partners (現在分詞に修飾される名詞)→ (due) to (影響・理由)という “名詞句” の構造と解釈するよりは、due to の後は、“出来事” や “状況” を伴いがちであることを考慮した場合、やはり動名詞の ~ ing として捉え、“文” の構造をぜひ意識したい。ただ、これが “出来事” や “状況” を表す名詞、例えば、a drop occurring for two consectuve days など、「2日連続で生じている下落」などの「下落」などの語彙は、“出来事” や “状況” を表す名詞なので、この場合などは occurring を現在分詞としても解釈できるだろう。
欧米メディアでの実例
前置詞 + 目的語 + ~ing の形は、金融、経済報道でも突出した信頼性を誇る金融メディアである Financial Times や The Economist を含め、欧米メディアでも頻繁に登場するので、用例として、以下一部を取り上げてみた。
<Financial Times からの実用例①>
Yields on the country’s long-dated government bonds have risen as a result of the People’s Bank of China opting not to follow the monetary easing of the Fed and others, as it focuses on financial stability rather than stimulus.
<対訳>
中国人民銀行が景気刺激策よりも金融安定を重視し、FRBなどの金融緩和に追随しないことを選択した結果、長期国債の利回りが上昇した。
<Financial Times からの実用例②>
Its recent strategic shift gives more weight to employment and is more tolerant of inflation overshooting its target.
<対訳>
最近の戦略的なシフトにおいては、雇用をより重視しており、インフレがターゲットをオーバーシュートすることに寛容になっている。
<The Economist からの実用例>
In the case of the protests engulfing Iran, it was a steep rise in the price of eggs.
<対訳>
イランを襲った抗議行動では、卵の価格が急騰した。
<The Wall Street Journal からの実用例>
Tenuous as this bilateral undertaking remains, it should ease fears of dominoes collapsing in the South China Sea.
<対訳>
この二国間の取り決めは不安定なままであるが、南シナ海でのドミノ倒しの懸念を和らげることができるはずである。
※ ドミノ倒し=ある一国が共産主義化すればドミノ倒しのように隣接する国々も共産主義化する。
<CNBC からの実用例>
One of the most notable examples of European entrepreneurs heading to the U.S. is payments giant Stripe, whose Irish founders went to California to build their company.
<対訳>
欧州の起業家が米国に進出した最も注目すべき例の1つは、決済大手のStripeで、そのアイルランドの創業者は、カリフォルニアで会社を設立した。
<Nikkei Asian Review からの実用例>
Like his predecessors, President Xi has clamped down ruthlessly on speculators bidding up the yuan.
<対訳>
彼の前任者のように、習近平国家主席は、投機家による元のつり上げを容赦なく取り締まった。
<Pound Sterling Live News からの実用例>
The Pound’s outperformance suggested there was something specific to the UK underlining the move and most market commentators attributed this to the Treasury announcing a new job support scheme.
<対訳>
ポンドのアウトパフォーマンスは、その進展の根底にある英国に固有の何かが存在していることを示唆し、ほとんどのマーケットコメンテーターは、これは財務省が新たな雇用支援スキームを発表したことに起因するとした。
以上、日本人があまり使いこなせていないが、ネイティブが多用している表現法の1つ、前置詞 + 目的語 (意味上の主語) + ~ing (動名詞)、あるいは 前置詞 + 目的語 + ~ ing (現在分詞)の形を、筆者によるオリジナル模範翻訳と併せて、名だたる欧米金融メディアの実用例も使って、詳説してきた。この英語表現が自然に使えるようになることで、今まで以上に、ネイティブのライティングに近づくこともできるはずだ。
本記事内、筆者のオリジナル模範翻訳および金融メディア等からの用例は 金融翻訳例文集:ワンランク上の金融翻訳 にすべて網羅している。
翻訳力、ライティング力をはじめ、スピーキングなどの英語表現力も含めた総合的英語力の向上に、音読学習も取り入れながら、ぜひ活用されたい。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません